スクウェア・エニックスがサービス中のMMORPG「FF14 RMT」(PC / PS3 / PS4)。“崩壊”からの“新生”という,オンラインゲーム史上でも稀に見る数奇な運命を辿ってきた本作だが,現在では世界累計アカウント数が150万を突破し,最大同時接続数も34万人を超えるなど,国産MMORPGの中でもトップクラスの人気を誇っている。2013年12月17日には初の大型アップデート「パッチ2.1 覚醒せし者たち」も実装され,ますます勢いを増している。
さて,今回4Gamerがそんな「新生FFXIV」に関して,ライター色の強い短期連載企画を立ち上げるということで,なぜか記事を筆者……マフィア梶田が任されることになった。「旧FFXIV」から新生に至るまでの経緯を,ゲームライターである以前にいちプレイヤーとして,(旧FFXIVコレクターズエディション特典の)タンブラー片手に見守ってきた身としては非常に光栄だし,やる気も十分であるが,「マフィア梶田の二次元が来い!」などをチェックしてくれている読者の方々ならばよく御存知のように,筆者は良く言えば自由……悪く言えば,自重しないタイプである。
まぁ,そもそもオファーしてきたのはそれを誰よりもよく理解しているはずの4Gamer側だ。つまりはDo it!(やれ!)ということなのだろうと,筆者は解釈した(※編注:曲解です)。結局のところ何が言いたいのかというと,この記事によって何か問題が発生した場合は筆者でもスクウェア・エニックス様でもなく,4Gamerを責めてほしいということである。俺は悪くない,あいつがやれって言った!
ふぅ……このくらい前置きしておけば,もう大丈夫だろう。とりあえずこの連載は全3回を予定しており,第1回では「コミュニティ」周りについて書いていこうと思っています。コミュニティ……まぁ,フリーカンパニーやリンクシェル周りについてを解説がてら,筆者自身がどういう遊び方をしているのかというところを語っていくとしよう。
なお,今回掲載するスクリーンショットはプレイ環境の関係上,1920×1060と2560×1080といった解像度の画像が混在している。少々違和感があるかもしれないが,これもリアルタイムで遊んでいるからこその“味”として許容していただけると有難い。
酸いも甘いもコミュニティ
MMORPGにおいて,コミュニティというのは言うまでもなく非常に重要な要素だ。クエストを手伝ってもらったり,素材を知り合いのクラフターに渡して装備を作ってもらったり。なにより苦楽を共有できるフレンドの存在は,ゲームの面白さを2倍にも3倍にも高めてくれる。持ちつ持たれつ,場合によってはプレイヤーにとって,どんな高額アイテムやレア装備にも勝る財産となり得るものである。
そんなコミュニティを築いていくためには,プレイヤー自身のコミュニケーション能力が大切であるのはもちろんなのだが,「新生FFXIV」ではシステム面でのフォローが非常に充実しているのが嬉しいところ。リンクシェル(LS)やフリーカンパニー(FC)を活用することで自分のコミュニティをより広く,深く発展させていくことが可能だ。
まずLSというのは,プレイヤーが自由に作成・所属できる専用のチャットチャンネルだ。リアルの知り合いや,付き合いがとくに古いフレンド達と密な会話を楽しむために作成するのがポピュラーな使い方だと思うが,LSのもっとも大きな利点は,「複数所属できる」というところにある。つまり,単純なフレンドへの連絡手段としてだけでなく,「コンテンツ攻略」や「クラフター同盟」といったように,目的に合わせて作成・所属して使い分けることもできるのだ。
仲間が多ければ多いほど,ゲームの進行がスムーズになるのがMMORPGというもの。「新生FFXIV」を全力でエンジョイするつもりならば,利用して損はないだろう。ちなみに,中には「ララフェル専用」とか「漁師専用」とか,ゲームの攻略面にあまり関わりのないLSもあったりする。そういったところに所属して,同好の士と気軽に談笑するのもまた一興ではないだろうか。
お次はFCについて。こちらはいわゆる「ギルド」に近いもので,LSよりも濃密なコミュニティを築けるシステムになっている。所属することで共有アイテムBOXが使用可能となったり,メンバー全員の獲得経験値などをブーストできる「カンパニーアクション」が使用できたりといった,さまざまな特典を得られるのが特徴だ。LSと違って複数所属することはできないが,組織を全員で盛り立てていくという要素があるだけに,プレイヤー間の結びつきが強い傾向にある。
また,先日導入されたパッチ2.1からFCの専用ハウスを持つことも可能になったが,べらぼうなギルを必要とするため,現状の環境ではすぐにどうこうできるという物ではない。しかしその分,メンバー全員で協力して苦労の末に家を手に入れることができれば,さぞかし大きな達成感を味わえるはず。個人的には酸いも甘いもひっくるめて,FCに所属することで得られる物は非常に大きいと考えている。
さて,ここまで努めて真面目にコミュニティ周りの解説をしてきたが,どのように「新生FFXIV」を楽しむかについてはプレイヤーそれぞれの自由だ。例えば我がFCのリーダーなどは酷いドSミコッテで,メンバーの役職に「バイト」や「ヒラ(社員)」,挙句の果てには「窓際」などと設定している。これでは“ファイナルファンタジー”どころか“フアンニナルファンタジー”だ。
かく言う筆者も,当初は「鉄工所 所長」(※鍛冶レベルが50のため)という役職をあてがわれていたが,先日ログインしたら「作業員」に降格されていた。ワンマン経営のとんだブラック企業である。悔しいので,近々出奔したうえでライバル企業を立ち上げてやろうかと画策しているところだ。
うう……コミュニティの素晴らしさを伝えるはずが,いきなり生臭い話になってしまったが,まぁこういうFCもあるという一例として見てほしい。みんなは真似しないように。
それに,いい思い出だってちゃんとある。これまでFCメンバーとはインスタンスダンジョンを協力してクリアしたり,クラフターでお互いに不足している素材を補いあったり……素直にゲームのコンテンツを楽しむ一方で,さまざまな冒険(意味深)に興じてきた。泥酔してハメを外しすぎたサラリーマンのようなことを,それはもうたくさんやった。
この通り,ちゃんと楽しかった思い出だって残っているのだ。例えいまはギクシャクしていたとしても,楽しかった時期は確かにあったのだ。もっと言えば我が社の社長だって,元から鬼畜だったわけではない。まだ会社を立ち上げたばかりの頃,仲良く撮影したこの写真がその証明だ。
筆者のこの笑顔を見れば,社長とどれほど深い信頼関係で結ばれていたかよく分かるはず。しかし思えば,社長の様子がおかしくなったのはこの直後だった……一体なぜ,あんなにも純真だった彼女が変わってしまったのか……「みんなで立派な会社にしようね!」と屈託の無い笑顔で語っていたあの頃の彼女は何処へ……ん? 「おまえのせいじゃねーか!」って? え,なんで?
初めてのパーティ募集
ついつい,個人的な思い出話に花を咲かせてしまった。少し話題を戻そう。コミュニティの発展に関わるシステムとしてFC・LSの存在が不可欠なのは前述の通りだが,せっかくのMMORPGなのに内輪で決まった仲間としか遊ばないというのも少々もったいない。野良で知り合ったフレンドを自分のFCやLSに勧誘できるのも「新生FFXIV」の面白いところだし,良い出会いというのはどこに転がっているか分からないものである。
しかし,知らない人にいきなり声をかけるのはちょっと……という気持ちもよく分かる。なぜなら,筆者もこう見えて人見知りするタイプだからだ。
そこで生きてくるのが,パッチ2.1で追加された「パーティ募集」機能である。そもそも「新生FFXIV」には,コンテンツごとに申し込むだけで自動マッチングを行ってくれるコンテンツファインダー(CF)という機能があり,パーティプレイのハードルが低いという利点がある。しかし,CFはサーバーをまたいでマッチングを行うため,せっかく面白いプレイヤーと知りあえてもフレンドにはなれないということが多かった。
しかし,その点パーティ募集機能ならばCFと同じような感覚で申し込んでおくだけで,同サーバー内にいるプレイヤーが参加してきてくれるのである。何度もチャットで叫んで募集するよりもずっと手軽だし,コメント欄を活用して初見なら初見,経験者なら経験者と指定して募集できる点も非常に便利だ。
筆者も先日,初めてパーティ募集機能を使って「真ガルーダ討滅戦」の初見パーティを組んでみたのだが,これが大当たり。筆者を含めて初見多めのパーティだったにも関わらず,一発で真ガルーダの討滅に成功したのだ。
どうやらみんな筆者と同じように,ガルーダが難しいと聞いて装備は揃っているのに恐怖からなかなか踏み出せなかったクチらしく,すんなり倒すことができて大喜び。CFとは違い,コンテンツ終了後もパーティを組んだ状態で元のフィールドに戻れるため,その後もしばし興奮気味に歓談することができた。
初見クリアという輝かしい勝利に勢い付いた筆者は,そこで意気投合したナイトとガルーダ斧狙いでしばらく真ガルーダを周回。別れ際にはフレンドになり,これ以上ないくらいにMMORPGの醍醐味を味わうことができた。
……結局,それから4周くらいしても目当ての斧は出なかったが,新しくフレンドになってくれたナイトがまた周回に付き合ってくれるらしい。ある意味ガルーダ斧よりもレアな絆を得ることができたということで,大変実りのある冒険だった。
さて,「マフィア梶田の珍生エオルゼア」第1回となるコミュニティ編は,とりあえずこの辺りで締めるとしよう。本当ならばもっとフレンドとバカ騒ぎしたエピソードを語ったり,載せたりしたいSSもあるのだが……さすがに表に出せない物ばかりなので諦めたのである。この記事に載せているエピソードやSSで十分酷いじゃねーかと思われるかもしれないが,これらはまだマシな方なのだ。
次回以降,この連載がどんな方向に進むのやら……下手すりゃ怒られて打ち切りもありえる霧中行軍っぷりだが,ちゃんと,真面目半分おふざけ半分で頑張っていこうと思うので引き続き付き合ってもらえると幸いだ。
FF14 RMT