NAT Gamesが開発し,ネクソンがサービス中の「V4 RMT」(iOS / Android / PC)は,スマホとPCのどちらでも遊べるMMORPGだ。
今回4Gamerは,2020年9月24日の配信開始に少し先駆けて開発陣にメールインタビューを行う機会があったので,その内容を掲載しよう。本作がどのような想いで開発されたのか,そして今後のアップデート計画はどういった方針なのか。ディレクターのイ・ソンホ氏とプロデューサーのソン・ミョンソク氏からいただいた回答をチェックしてみてほしい。
※回答は2020年9月23日時点のものです。
4Gamer:
V4の開発プロジェクトは,どのようなコンセプトを掲げて進めてきましたか。
ソン・ミョンソク氏:
V4──Victory Forは,それぞれ求めるものが違うユーザー同士が集まって努力することで勝利し,そこから各自が望むものを手にするということを期待して,名づけたタイトルです。
開発当時のモバイルMMORPGは,小規模のユーザー同士が集まって行動するタイトルが多かったのですが,V4ではパーティより大きい,数十人規模のギルドが目標を決めて一緒にゲームを楽しめるようにデザインすることに重点を置きました。加えて,ギルド同士が連合を作り,1つのサーバーがほかのサーバーを相手に勝利を競えるようなゲームを作ることに集中したタイトルでもあります。
4Gamer:
PC版も開発された背景にはどのようなお考えがあったんでしょうか。
ソン・ミョンソク氏:
モバイル端末のパフォーマンスが向上したことにより,今はモバイルゲームもPCモニターのような大きいサイズのディスプレイでも楽しめるようなビジュアルクオリティを持ち合わせるようになりました。Unreal Engineのクロスプラットフォーム開発環境でPCを活用して開発を進めていたため,すでにクロスプレイをサポートする基盤が整っていたこともPC版の提供を決めた理由の一つです。
何より,モバイルMMORPGを開発していく中で,ときにはモバイルより大きい画面でゲームに集中できることが強みになると考えたため,クロスプレイをサポートすることにしました。
4Gamer:
開発側からアピールしたいV4のキーコンテンツはなんでしょうか。
ソン・ミョンソク氏:
既存のMMORPGはサーバーという垣根の中でユーザー同士のやり取りに基づくさまざまなコンテンツが設計/提供されてきました。しかし,V4はそこからもう一歩踏み出して,もっと多くのユーザーが一緒に遊べるゲームを作りたいと思ったんです。
そのために「インターサーバー」というシステムを設計することになりました。ほかのサーバーのユーザーたちと協力したり,競争したりできるように,いろんなサーバーのユーザーたちが自由に出入りできる「ルナトラ」というフィールドを作り,強力なボスモンスターだけでなく,サーバー全体のユーザーに恩恵を与える「聖物争奪戦」(※日本には今後のアップデートにて実装予定とのこと)なども,この「インターサーバー」に基づくコンテンツとして開発されました。
このように自サーバーに限らず,ほかのサーバーのユーザーたちとのやり取りの中で経験できるさまざまな楽しさを通じて,MMORPGというジャンルの本当の面白さをご提供できると期待しています。
4Gamer:
開発が想定しているV4のプレイスタイルを教えてください。
ソン・ミョンソク氏:
まず,自分の所属するサーバー内でキャラクターを成長させ,ギルドを結成して仲間たちと一緒に「インターサーバー」システムの「ルナトラ」のフィールドでネームドモンスターやフィールドボスを討伐し,ほかのサーバーのユーザーたちと競い合うことになります。
その過程で,一人の強者より多数の協力のほうが有利に働く局面を多く用意しておりますので,ギルドメンバー同士での協力プレイや,ギルド同士の協力や対立など,MMOの醍醐味である多人数プレイをぜひ体験してみてください。
4Gamer:
プレイヤーキャラクターはどのような立場となりますか?
ソン・ミョンソク氏:
平和だった「シルナス」が,ほかの次元の悪魔たちの力を借りた闇の勢力によって脅威に晒されていて,プレイヤーキャラは悪魔狩りである仲間たちのリーダーとなり,彼らと一緒に世界を守るための冒険をしているという状況に置かれます。
4Gamer:
アプリ内課金を利用しない範囲のプレイでもV4の魅力は損なわれませんか?
イ・ソンホ氏:
「V4 RMT」では,基本的にすべての装備品をフィールドで入手できるようにしています。アプリ内課金を利用しなくても十分な時間と労力を投資すれば,プレイヤーキャラクターは成長し続け,ほかのユーザーに追いつけるようになっています。
大規模戦闘のような状況では,自分とギルドメンバーがどのように行動するかによって十分な影響力を発揮できます。そのためアプリ内課金を利用しない場合でも,このゲームの魅力が損なわれることはないと自負しています。
4Gamer:
アップデート計画はどのような方向で作られていますか。
ソン・ミョンソク氏:
日本版のコンテンツ実装速度は少し早めのペースで進められ,ローンチ後の最初の大規模アップデートは,まず新規エリアの追加になる予定です。その次の大規模アップデートでは,ほかのサーバーと競争する「聖物争奪戦」のコンテンツと,続けて新規クラスを披露できるように頑張っています。これらは,韓国では多少の時間を置いてから実装されてきたコンテンツです。
4Gamer:
先行している韓国や台湾ではどのような評価を受けているんでしょうか。
ソン・ミョンソク氏:
韓国ではもうすぐローンチ1周年を迎えます。相変わらず多くのユーザーさんが「V4 RMT」を愛してくださっていて,直近で実装した新規クラスの「マエストロ」に対する反応も予想以上に良いものでした。台湾や,続いてリリースしたグローバルサーバーでも良い反応を得ています。この勢いを維持していくためにも,継続して新規コンテンツを準備しており,日本版でもある程度の時間差はあると思いますが,順次適用していく予定です。
4Gamer:
「V4 RMT」のサービスを長く続けるうえで大切にしようと考えているポイントはなんでしょうか。
ソン・ミョンソク氏:
プレイヤーの声に耳を傾けて素早く対応していくことをベースとしています。その中でも「V4」で重要視している基準の1つは,プレイヤーが積み上げてきたものの価値が損なわれないようにすることです。
4Gamer:
日本版へのローカライズ/カルチャライズで重視したところを教えてください。
ソン・ミョンソク氏:
日本は,ゲーム文化がもっとも発達している国であるだけに,ほかの地域に比べて守るべきルールは細部にわたって定められていると思います。そういったコンプライアンスに沿って一部の仕様を微調整していますが,「V4」というゲームが持つ本来の魅力はそのまま守られています。
4Gamer:
サービス開始後のリリース記念イベントなどは予定されていますか。
ソン・ミョンソク氏:
ゲーム運用を担当するネクソンと協議し,最強のフィールドボスを最初に討伐した貢献度1位のユーザーにトロフィー(現物品)を授与する「最強ボスを倒すのは誰だ!?キャンペーン」を9月24日より実施する予定です。
9月29日からはテレビCMの放送開始に合わせて「TVCM記念総額400万円分プレゼントキャンペーン」と「V4スクリーンショットコンテストキャンペーン」もスタートします。V4 RMT