2020年3月20日の発売から本日(2021年3月20日)で1周年を迎えた,任天堂のSwitch用ソフト【あつまれ どうぶつの森 RMT】のお祝い企画の第3回をお届けしよう。
全3回でお送りする1周年企画の締めを飾る今回のテーマは,「“衣・食・住”でゲームの面白さや島での生活の楽しさを掘り下げる」こと。どんな着こなしも思いのままに楽しめるファッションを「衣」,島の開発のパワーの源で,島をより鮮やかに彩るアイテムでもある食べものを「食」,島の住民やフレンドと特別な時間が過ごせる島の生活を「住」にカテゴリ分けし,自由な島生活を楽しめる「あつまれ どうぶつの森」の魅力を3つの切り口で紹介していこう。
まずは衣食住の「衣」。つまりファッションについて。夏場はTシャツやワンピース,冬はコートやジャケットなどでそれぞれ好きな装いを楽しみ,アウトドアでは動きやすく安全性の高い服,家の中ではゆったりとした部屋着……と,人は季節や場所,気分に合わせてファッションを楽しむわけだが,「あつまれ どうぶつの森」でもそれは同じだ。【あつまれ どうぶつの森 RMT】
島を探索するときはアウトドアルックに身を包み,家具を作るときは作業着スタイルに。サカナつり大会が始まると聞けば釣りに適した服を選び,花火大会が開催されれば浴衣姿で夏を満喫する。一人で島を散歩するときも,フレンドと集まって賑やかな時間を過ごすときも。いつも(現実)の自分と変わらずいられるのはもちろん,現実では選んだことがないファッションアイテムやスタイルにも挑戦し,“いつもと違う自分”を楽しめるのも魅力だ。
かくいう筆者は現実世界で「アイロンをかけなくていい素材で,洗いやすく,体型をカバーしてくれるもの」程度のこだわりしかない人間だが,「あつまれ どうぶつの森」の世界では何も気にせず存分にファッションを楽しんでいる。ふだんは絶対に着ないようなジャンルの服も気軽に買ってはコーディネートを楽しんでおり,ときには「自分に合うかどうかは別として,意外とこういうテイストのファッションが好きなんだな」と,自分自身の新たな発見もあるほどだ。
【あつまれ どうぶつの森 RMT】
トップス,ボトムス,ワンピース(上下セット),かぶりもの(頭),アクセサリー(顔),くつした,くつ,バッグ(背負うもの全般)と細分化されたファッションアイテムの,バリエーションやその組み合わせは膨大だ。そんなラインナップの中から自分が「これだ!」と思う組み合わせを考えているだけでもあっという間に時間は過ぎ,家のストックはさまざまな服やアクセサリーで一杯になるだろう。
無人島に移住してすぐは,行商にやってくるきぬよから数点を購入できるだけだが,島が発展し,きぬよとその姉・あさみのお店「エイブルシスターズ」がオープンすれば,その楽しみは一気に広がる。その日に取り扱うアイテムの点数が増えるだけではなく,世界中のプレイヤーがオンラインで公開しているマイデザインが使えるようになるからだ(※)。
※オンライン機能の利用には,有料サービスのNintendo Switch Onlineへの加入が必要となる
エイブルシスターズ開店の条件は厳しくなく,【あつまれ どうぶつの森 RMT】,それをきっかけに行商を始めるきぬよから数回アクセサリーや服を購入し,そののちお願いごとに応えるだけ。1日のプレイ時間にもよるが,のんびり進めても2週間かからずにお店がオープンするので,これから遊ぶ人でもすぐにオシャレが楽しめるはずだ。
ドレッサーで気軽に髪型や髪色,肌の色や目の色などを変えられるのも,おしゃれ好きには嬉しいポイント。無人島生活を始めて間もないころは,島中を探索して回り,集めた素材でDIYをして島をデザインすることに夢中で気が回らないかもしれないが,お金が貯まったらさまざまなファッションアイテムを揃え,マイルが溜まったらヘアカタログやメイクカタログを入手してみてほしい。今度は“気分次第で自分自身が自由に変身できる”という楽しさの“沼”にハマるはずだからだ。
夏はこんがり小麦色の肌に,ハロウィンはゾンビや吸血鬼風に!? ドレッサーや鏡を使えば,いつでもプレイヤーの気分に合わせてイメチェンが可能だ | |
着替えが楽しめるのはプレイヤーだけではない。パニエルの島のスタジオがオープンしたら,島の住民を呼んでみよう。普段とは違ったコーディネートで写真撮影に協力してくれる |
さらに,ファッションに興味のある人はSNSで「#マイデザイン」などのハッシュタグを検索してみてほしい。世界中のプレイヤーがアップしている個性的なオリジナルデザインの数々や,1周年企画の第2回で紹介したような実際にあるファッションブランドやアパレルメーカーが公開しているものなど,魅力的なマイデザインに触れられる。
続いては,衣食住の「食」だ。満腹度のようなパラメータや,空腹で動けなくなるような要素があるわけではないが,「あつまれ どうぶつの森」には,いたるところに美味しそうな食べものがあり,それらは島の発展や島を華やかに彩るうえで欠かせないものとなっている。【あつまれ どうぶつの森 RMT】
まず,これは忘れがちなことかもしれないが,「あつまれ どうぶつの森」には“食べられるもの”がいくつか存在する。
初めて無人島に降り立ったとき,ランダムで決まる島の“特産”となるフルーツ。日曜日の午前中にウリが販売にやってくる「カブ」。春先に竹の近くに生える「たけのこ」や,秋に木や木の切り株の周囲に生える「キノコ」。海辺に植えると“映える”ヤシの木が育つ「ヤシのみ」に,ハロウィ
この,現実世界の株取引を思わせるカブの要素は,大量に購入して「もっと売値が上がるはず」と粘った結果,下落の一途を辿ったといった状況に陥り,高値で売れるフレンドの島はないか探したり,やむを得ず“損切り”する……といった,変にリアルな悲喜こもごもを生む,ちょっぴり(?)ブラックユーモアを感じさせる「どうぶつの森」シリーズではおなじみのもの。そんな酸いも甘いもかみ分けながらカブを島の発展に活かすのも,「あつまれ どうぶつの森」のだいご味の一つだ。【あつまれ どうぶつの森 RMT】
そして,忘れてはならないのが,フルーツを素材にDIYで製作できる家具や,食事や食卓,食べものなどをモチーフにした家具やアイテム。実際には食べられないが,島に生活感を生み,より華やかで賑わいある雰囲気を生み出してくれるものとなっている。
タヌキ商店で買える「ピクニックバスケット」,桜の花びらを素材にDIYできる「おはなみセット」,たけ(竹)から作る「たけのべんとうばこ」や「ながしそうめん」……こうしたアイテムを外に配置すれば,季節に合わせたピクニックや花見気分が味わえるし,「ちゅうかテーブル」を購入して「オリエンタル」や「ちゅうか」と名の付く家具やアイテムで飾れば,自宅はもちろん外に中華料理店も作れる。このようにお店を作れば,島がより賑わいある町となるだろう。
「あつまれ どうぶつの森」の食に関して,筆者には一つ夢がある。それは,サンクスギビングのイベントのフランクリンのように,島の住民たちに料理を振る舞うこと。家具やアイテムのプレゼントという形でもできるが,DIYの感覚で,島で獲れるサカナや海の幸,フルーツなどを使った料理ができる日はいつか来るだろうか……。
住――素敵な仲間たちと過ごす特別な時間
【あつまれ どうぶつの森 RMT】
衣食住の3つ目となる「住」では,住まいである家だけではなく,島の暮らし全体――DIYや島の開発,季節で異なる風景や催し,ともに素敵な時間を共有し合う仲間たちなどを紹介しよう。
島に初めて降り立ち,手つかずの自然の中でのキャンプ生活から始まった島での暮らし。所持金も道具も何もない状態から,住みよい島を作り上げるうえでの最初の一手がDIYだった。
サカナを釣るためのつりざお,岩や木を叩いて素材を得るためのオノ,幅の広い川を飛び越えるためのたかとびぼう……。たぬきちからDIYの手ほどきを受け,住民からのアドバイスや海岸に流れ着いたメッセージボトルなどからDIYのレシピを手に入れて,さらに便利な道具や家具が作れるようになり,自分にとって住みやすい環境,住むことを夢見た理想の島ができあがっていった。
テント暮らしを卒業し,マイハウスを持つころになると,家の外観を変更したり,公共事業として橋や坂を作ったりできるように。タヌキ商店や博物館,エイブルシスターズといった施設ができ,島の賑わいを知って移り住んできた住民の家が増えていく。
建物の移築なども交えながら住民たちの家の周りの景観を整え,広場や公園を作り,島の一角にシーズナルなスペースを設ける――そんな,自分が思い描いた島を作り上げていく過程は楽しくて仕方がなく,そしてやりたいことが無限に湧いてくるのがDIYや島の開発の魅力だ。
島の景観が整い,島の評判が☆3になると開放される「島クリエイター」が使えるようになると,その楽しさはさらに増す。舗装工事や河川工事,崖工事などのいくつかのライセンスがあり,これをマイル交換で入手することで,石だたみやタイル作りの道を敷いたり,崖や地面を削って平地や川を作ったり,地面を盛って高台を築いたりできるようになる。完成図をイメージしながら島全体を開発できる島クリエイターは,「もっと細かいところまでイメージ通りの島に作り上げたい!」という人にとって,その理想を叶えてくれる夢のツールだ。
島の景観を整え,美しく飾るうえで欠かせないのが花や低木だ。特産品のフルーツと同様に,島に生えている花は最初は2種類のみだが,フレンドからもらったりレイジの園芸店でタネを買ったりすることで種類は増え,また種類によって開花時期が異なる低木は,島を華やかにするだけではなく,季節感を生むのにも一役買う。【あつまれ どうぶつの森 RMT】
花の特徴といえば,植える位置によって異なる色の花が咲くところ。赤と白を組み合わせればピンクの花が咲き,赤と黄色を組み合わせるとオレンジの花が咲く……といったように,それは自然界の遺伝法則に則っており,しっかりと研究すれば貴重な青いバラを咲かせることも可能だ。