NCSOFTがサービス中の“次世代オープンワールドRPG”「リネージュ2M RMT」(iOS / Android / PC)に,新武器「槍」が実装されている。初の追加武器となる槍は,「フォーカス」「バスター」という二つのモードを切り替えつつ戦えるのが特徴だ。本稿でそんな槍のプレイインプレッションと魅力をお伝えしていこう。
「リネージュ2M RMT」の世界には,「ヒューマン」「エルフ」「ダーク エルフ」「オーク」「ドワーフ」の5種族が存在し,武器種は「片手剣」「二刀流」「短剣」「弓」「スタッフ」「オーブ」,そして6月23日に追加された「槍」の7系列に大別できる。
種族と武器を合わせたものを「クラス」と呼ぶ。片手剣を使うヒューマンなら「ナイト」,スタッフを使うエルフは「エルヴン ウィザード」といった具合だ。
新たなクラスを手に入れる方法は主に2種類ある。レベルを上げて転職クエストをこなすと,同じ種族かつ同じ武器を使うクラスの上位版が手に入るのだ。もう一つの方法は,ゲーム内マネーなどで手に入る「クラス召喚」を使い,ランダムなクラスを取得するというもの。ゲームを始めた時点での種族や武器が何であれ,手に入れたクラスにはいつでも転職できる。「リネージュ2M RMT」
槍は新武器なので,これを既存のキャラクターが使おうとすると,クラス召喚などで新たに槍系のクラスを入手する必要がある。しかし,これから新規にゲームを始める人なら,キャラクター作成時のクラス選択で槍系を選ぶだけでいい。また,すでに「リネージュ2M」をプレイしていても,槍の新キャラを作れば,メインキャラでもすぐに槍でプレイすることが可能だ(手に入れたクラスはアカウント内で共有される)。
槍を使えるのはヒューマン,ダーク エルフ,オーク,ドワーフの4種族で,残念ながらエルフは対象外となる。バランスが取れたヒューマン,AGI(敏捷性。攻撃速度に関係)に優れたダーク エルフ,CON(耐久力。HPに関係)の高いオークとドワーフ……という特性は,槍を使うクラスでも同様である。「リネージュ2M RMT」
レベル40で転職できる「希少クラス」では,特定スキルが強化される「覚醒スキル」を覚えられるが,ここから種族ごとの個性が強くなっていく。
ヒューマンの「ドレッドノート」はスキル抵抗と硬直耐性が増え,「ブレイブ ハート」の硬直耐性が強化される。
ダーク エルフの「アビス キーパー」はスキルダメージ上昇+出血した相手に通常攻撃が当たると追加ダメージを与える「ファイナルシークレット」の効果がアップとなる。
オークの「ドゥーム デストロイヤー」は雷で攻撃する「ライトニングストライク」の使用コストが減少。
そしてドワーフの「ノヴァ インペイラー」は防御率UP+防御時HP回復の「パリィ スタンス」のHP回復量がそれぞれ強化される。といっても,槍の実装をきっかけに初めてプレイする人には,右も左も分からないはず。いっそ好みのルックスで選んでしまっていいだろう。「リネージュ2M RMT」
槍クラスの使用感をまとめると,「モード チェンジ」のスキルで単体攻撃と範囲攻撃を任意に切り替えられる,ややテクニカルな近接系初の範囲スキルを持つアタッカーといったところだ。単体攻撃がフォーカス モード,範囲攻撃をバスター モードといい,「モード チェンジ」のスキルで切り替えられる。
フォーカス モードは,単体にしか攻撃できない代わりに攻撃力が上がり,一方のバスター モードは,複数体を巻き込める代わりに攻撃力が少し下がると覚えておけばいいだろう。
これまでだと範囲攻撃を使いたければスタッフクラスというのが定番だったが,今後は槍クラスも視野に入ってくるわけだ。「リネージュ2M RMT」
現在どちらのモードを使っているかは,画面左下の攻撃アイコンや「モード チェンジ」のスキルアイコン,足元のオーラで判断できる。攻撃アイコンとスキルアイコンが槍から光が放たれているもので,足元のオーラが四角いならバスター モード。単なる槍のアイコンで,足元のオーラが三角形ならフォーカス モードだ。
通常のスキルは画面下のスロットに登録して自動使用の設定を済ませれば,戦闘時にオートで使ってくれる。しかし,「モード チェンジ」はほかのスキルと異なり,プレイヤーが手動でアイコンをタップしない限り,使用されることはない。詳しくは後述するが,槍クラスが真価を発揮するには状況に合わせたモード切り替えが必要となる。
つまり「常に画面上に置いたスロットに『モード チェンジ』を登録しておくことが望ましい」というわけだ。一部のスキルはモードによって「挙動が変化する」「どちらかのモードで効果がより強力になる」「どちらかのモードでのみ特殊な効果を発揮する」といった変化が見られるので,スキルの説明をしっかりとチェックしておこう。「リネージュ2M RMT」
●挙動が変化するもの(一例)
「モード チェンジ」
フォーカス モードでのみ,近距離ダメージ,近距離命中,防御貫通が上がる。
バスター モードにすると,通常攻撃が一定確率で範囲攻撃になり,ターゲットにした敵に加え,周囲の敵も巻き込んでダメージを与える。
「パワー クラッシュ」
強力な一撃を繰り出す。バスター モードでは範囲攻撃になる。
「トゥルー スピアー」
フォーカス モードだと,攻撃が当たった際に確率で追加ダメージ。バスター モードなら,確率で範囲に追加ダメージ。「リネージュ2M RMT」
●どちらかのモードで効果がより強力になるもの(一例)
「ライオン ハート」
武器防御率を上げる。バスター モードではさらに上がる。
「ガスト ピアス」
通常攻撃が当たると出血効果を与える。フォーカス モードで出血確率が上がる。
「アンガー リカバリー」
HP低下時,ポーションの回復率が上がる。バスター モードでは回復量がさらに上がる。
●どちらかのモードでのみ特殊な効果を発揮する(一例)
「ファイナル シークレット」
スキルのダメージを上げる。フォーカス モードでのみ,出血した敵に攻撃が当たると追加ダメージを与える。「リネージュ2M RMT」
槍クラスを使うのであれば,敵の密度や実力に応じて「モード チェンジ」を使い,フォーカス モードとバスター モードを切り替えていきたい。相手が1体しかいないのにバスター モードを使っていてはロスが大きいし,格下の敵が複数いるのにフォーカス モードで1体ずつ狩っていたのでは,ほかの近接クラスと変わらない。
自分と敵の実力を見極めるのも重要だ。本作のモンスターには「先攻」と「非先攻」の2タイプがいて,前者は積極的に攻撃してくるが,後者はこちらが手を出さない限り何もしてこない。では,敵がある程度強くて非先攻なのに,バスター モードを使っているとどうなるのだろうか。答えは簡単,普通の近接クラスなら1対1で問題なく個別撃破できるところであっても,バスター モードの範囲攻撃を当てると複数体が怒ってしまい,袋叩きの憂き目に遭うわけだ。
幸い「モード チェンジ」の再使用時間は1秒程度しかないため,選択を誤ってもすぐに再度切り替えることが可能である。「モード チェンジ」は槍クラスの存在意義とも言えるスキルなので,こまめに使っていこう。
リアルタイムでフォーカス モードとバスター モードを切り替えて戦うことがもっとも効率を高めるが,放置狩りをするならそうもいかない。バスター モードの範囲攻撃で放置狩りをしたい場合であっても,敵が強かったり,棲息密度が低かったりすると,フォーカス モードよりも効率が落ちる場合がある。ターゲットの棲息密度,こちらとの実力差,狩り場の混み具合などをチェックし,フォーカス モードとバスター モードのそれぞれで試運転をしたあとに決定するのが理想的だ。やや敵が強い狩り場にバスター モードで放置してしまい,気がつくとアッサリやられていた,なんてことのないように気を付けよう。「リネージュ2M RMT」
育成に関しては,ほかの近接クラスと同様に考えていいだろう。攻撃力に関係したSTRを上げていき,防御力と所持重量を優先して装備を選んでいけばいい。キャラ作成時に所有しているスキルが「モード チェンジ」ではなく,単体攻撃の「パワー クラッシュ」であるため,概要を理解していないと「これ,ほかの近接クラスとどう違うんだ?」と戸惑うかもしれない。「リネージュ2M RMT」
しかし,無事に最初の転職を済ませ,高級スキルが揃ってくる頃合いになると,槍クラスの面白さが分かってくるはずだ。ほかのクラスのように狩りのすべてを自動に任せてもいいし,「モード チェンジ」でこまめに切り替えてもいい。レベルが上がれば格下の敵がいる狩り場で長時間の放置狩りができるようになるが,バスター モードがあればより効率よく狩りができる。
各種の素材集めや,アイテム コレクション用のドロップ狙いといった局面で役に立ってくれるだろう。
その一方で,「魔剣ザリチェ」のラストやボス戦では,近距離ダメージに近距離命中といった近接クラスの生命線を強化してくれるフォーカス モードが心強い。それぞれのモードにおける能力値の変化に注目すれば,自動戦闘を眺めるのもより楽しくなるだろう。
2021年7月11日に「攻城戦」がスタート。キャラの戦闘能力がPvE(対モンスター戦)だけでなく,PvP(対プレイヤー戦)の観点からも重要になってくる。
攻城戦とは,大陸各地に存在する「城」を,プレイヤー同士の集まりである「血盟」(いわゆるギルド)が手に入れるための戦いだ。攻城戦に勝利した血盟は城を手に入れるだけでなく,領地の村にある各種商店(いつもポーションなどを買うあの「雑貨商人」)に税金を掛けられるのである。この「城税率」は血盟が自由に決められるため,血盟の施策はプレイヤーたちの懐事情に直接影響を及ぼす。まさに中世の世界そのままであり,ゲームの中で社会を表現することに注力したPC版「リネージュ2」の影響が色濃く表れたコンテンツと言えるだろう。「リネージュ2M RMT」
攻城戦は毎週日曜日20:00から行われる。前週の攻城戦で城を手に入れた血盟と,この城を奪いたい血盟が直接対決するわけだ。これまでにもプレイヤーキャラ同士で戦うことは可能だったが,やり過ぎると「性向値」が減少。減少の度合いが過ぎて「カオティック」状態になると,能力値が下がったり,死亡時にアイテムを失う確率が上がったりするペナルティがあった。しかし,攻城地域ではこうしたペナルティはなく,思う存分にプレイヤーキャラ同士の戦いを楽しめるのである。
攻城戦に参加するには血盟として攻城布告するか,開戦1時間前の19:00から募集される傭兵団に入ればいい。傭兵団はその攻城戦のみの仮加入のようなもので,終わればあと腐れなく脱退となる。レベルは高いに越したことはないが,大体レベル45から傭兵として攻城戦に参加できるので,ぜひ参加してみてほしい。
もしも自分の血盟が攻城戦に勝利し城主血盟となれば,村の商人から大きな税収を得られる。逆に,城税率を上げすぎると,今度はほかのプレイヤーから反感を買い,翌週の攻城戦で攻城側の傭兵団の人数が膨れ上がるかもしれない。そんな攻城戦には筆者も参加をしており,一プレイヤー視点からレポートをお届けする予定なので,次回の更新をお楽しみに。「リネージュ2M RMT」