ブレイドアンドソウル RMT
エヌ・シー・ジャパンは2014年3月8日,同社の新作MMORPG「ブレイドアンドソウル」の国内サービスに関する発表会“プレミアショウ”を東京都内にて開催した。プレミアショウでは,ファンが待ちわびたであろうサービススケジュールやビジネスモデルが発表されると共に,各種ゲームシステムがあらためて紹介されたほか,テレビアニメや各種タイアップ展開などの情報も明らかとなった。速報は「こちら」でお伝えしているが,本稿では,イベントの詳報をお伝えしていこう。
ムービー枠外をクリックで記事に戻る
Size:70%
「ブレイドアンドソウル」の正式サービス開始は5月20日!
キャラメイクを体験できるクライアントがβテスト前に配布予定
ブレイドアンドソウルは「リネージュ」シリーズや「The Tower of AION」に続く,NCsoftの主力タイトルだ。開発にあたり,構想に7年,総額50億円もの制作費を注ぎ込んでおり,2012年6月にサービスが開始された韓国,2013年12月にサービスが始まった中国を合わせると,現在のプレイヤー数は200万人を突破しているという。
プレミアショウが始まると,NCsoftから来日した,統括プロデューサーのベ・ジェヒョン氏が登壇し,挨拶を行った。かつてリネージュ2の開発に携わった氏にとって,日本での新作タイトル発表は約10年ぶりで,実際どのような反響が得られるかドキドキしているそうだ。日本で早くから期待しているファンを,長い間待たせてしまったことをお詫びすると共に,国内展開が今回のプレミアショウを皮切りに本格的に始動すると述べた。
続いて,テクニカルディレクターのホン・ソックン氏が登壇し,本作の技術面についてアピール。氏は,これまでのMMORPGは,サーバーで大人数を同時に処理する都合上,ほかのゲームジャンルと比べるとスピード感などがやや劣ってしまっていたと話す。本作の開発では,その限界を乗り越えるべく,さまざまなアプローチを試みてきたそうだ。
その結果,ブレイドアンドソウルでは1台のサーバーで1万を越える同時接続者数を処理し,さらに家庭用ゲーム機のアクションゲームと同等のスピード感,そして緊迫感溢れるアクションを実現できたという。MMORPGがもともと好きな人はもちろん,それ以外のゲームファンでも楽しめると述べていた。
NCsoft Chief Producing Officer兼 ブレイドアンドソウル総括プロデューサー ベ・ジェヒョン氏
NCsoft ブレイドアンドソウル テクニカルディレクター ホン・ソックン氏
なお,気になるサービススケジュールに関しては,短期間のクローズドβテストに相当する“リミテッドトライアル”が5月13日~15日に行なわれる。その後はオープンβテストに相当する“オープントライアル”が5月16日~19日に行なわれ,その翌日の5月20日に正式サービスが開始される予定だ。
ブレイドアンドソウル 日本運営プロデューサー 兼 開発コーディネーター 五條隆将氏
ビジネスモデルは,月額課金+アイテム販売によるハイブリッド課金を採用。月額の金額は後日発表としており,その目安について聞かれた日本運営プロデューサー 兼 開発コーディネーターの五條隆将氏は「弊社のほかのサービスとそんなには変わらない料金体系にしたい」と回答していた。現在の「The Tower of AION」「リネージュ2」は月額2000円で設定されており,本作もそれに近い額であることが予想される。
また,リミテッドトライアルよりも前に,本作のキャラクターメイク部分(後述)のみを無料で試せるクライアントの配布も予定しているという。作成したキャラクターのデータはPCに保存可能で,リミテッドトライアルで利用できるとのことだ。こちらの配布時期は現在調整中で,今のところ「4月じゅうなんにち」(五條氏)で検討しているそうだ。
ゲームクライアントのインストールディスクのほか,各種特典が封入されたパッケージが発売予定。ちなみにゲームクライアントは公式サイト経由でダウンロードできるため,パッケージはゲームプレイ上必須というわけではなく,ファンディスク的な意味合いが強い
クラスやキャラメイク,登場エリアなどをムービーで紹介
続いて,五條氏によるプレゼンテーションで,本作の主なゲームシステムが紹介されていった。会場で上映されたムービーも合わせて掲載するが,どれも見ごたえたっぷりなので,ぜひ隅々までチェックしてもらいたい。
●クラス
プレイアブルクラスに関しては,正式サービス時点で剣術士,拳闘士,魔道士,滅砕士,暗殺者,召喚士の6種類が実装される。
・剣術士
片手剣を扱うクラス。抜刀術を起点に,バリエーション豊かな攻撃手段を持ち合わせているという。前方からの攻撃を防ぐのも得意で,攻守のバランスに優れているそうだ。
・拳闘士
自らの拳を武器に戦うクラスで,対戦格闘ゲームのようなダイナミックな連続技を放てるのが特徴だ。ダウンした相手にマウントし,そこからさらに打撃や関節技を繰り出すこともできる。
・魔道士
ワンドを通じて発する“気”で戦う。炎や氷による遠距離攻撃が可能で,ほかのMMORPGで言うところのメイジやソーサラーに相当するクラスと言える。接近戦主体のクラスよりも,操作は比較的しやすいとのこと。
ブレイドアンドソウル 種族
・滅砕士
巨大な両手斧を振り回す,集団戦が得意なクラスだ。敵を掴みあげてからの投げ飛ばしや空中コンボ,さらには気絶や転倒などの状態異常を駆使して,敵に反撃の暇を与えずに戦う。
・暗殺者
メイン武器は短剣。身を隠しながら敵の背後から致命的な一撃を与えたり,地雷を設置して爆破させたりと,トリッキーな動きで敵を翻弄するクラスだ。
・召喚士
猫などのペットを召喚して敵と戦わせるクラス。自分は杖を使って,ペットに対する指示や回復などといったバックアップを担当する。
●キャラクターメイク
会場ではキャラクターメイクの様子も公開された。本作のキャラクターメイクでは,リン族,クン族,ゴン族,ジン族の4種から種族を選んだ後,各項目をスライダーで細かく調整していく。グラフィックスに拘る近年のMMORPGは,種族のイメージから大きく逸脱しないように,カスタマイズ幅に制限を掛けるタイトルも珍しくないが,本作ではかなり自由に,細かく調整できるようだ。
テンプレートも多数用意されているので,これに微調整を加えれば誰でもお手軽に自分好みのキャラクターが作成できるだろう。また細かい部分だが,作成時にゲーム中の背景を切り替えて,例えば昼夜の光の当たり方の違いなどを確認できるので,ログインした姿を見て「なんか違う」という,キャラクターメイクでありがちな違和感は生じにくい。
リン族
クン族
ゴン族
ジン族
●軽功(ケイコウ)
ブレイドアンドソウルでは,空中を滑空したり,壁を駆け上がったり,水面を走ったりといった特殊な移動が可能で,これらを総称して“軽功”と呼ぶ。軽功はいつでも無制限に行なえるわけではないが,要所要所で使うことで,ほかにはない爽快なプレイフィールを実現しているそうだ。一見,操作が難しそうに思えるかもしれないが,慣れると意外なほど簡単だという。ムービーを見ていると,バトルをせずに,軽功でフィールドを駆け回っているだけでも楽しめそうに思えてしまうほどである。
●宝貝(パオペエ)
ブレイドアンドソウルでは,衣装を着用しても,外見が変わるだけで能力値は一切変わらない。その代わりに“宝貝”なるアイテムがあり,これにより能力値をカスタマイズできる仕組みとなっている。
宝貝は8つのパーツによって構成され,それぞれモンスターからのドロップや,クエスト報酬などで入手できる。同じ種類の宝貝を装着すると追加効果が得られる仕組みもあり,どの宝貝をはめ込むかはプレイスタイルによって変わってきそうだ。
宝貝の組み合わせは2セット保存が可能で,状況に応じて切り替えて利用することもできる。
ブレイドアンドソウル 最安値
●序盤のエリアを紹介
五條氏お気に入りのリン族のキャラクターが,ゲーム序盤の冒険の場となる「ムイル峰」「竹林村」「亡者の森」「月影共同墓地」「炎天の大地」「渡門旅館」の各エリアを順番に紹介していった。バトルや軽功の様子もムービーで見られるので,リン族の掛け声や細かい仕草にも注目してほしい。
五條氏が「芸術的境地」と絶賛する,ブレイドアンドソウルの世界。ちなみに,キャラクターデザインから予想できるとおり,アバターアイテムはモノによって露出度が高いので,中国版では控えめになるよう調整されているのだが,それは日本版では適用されない(=韓国版と同じ仕様)
PCオンラインゲームと合わせてテレビアニメが放映
PCオンラインゲームのサービス開始に合わせて,テレビアニメが1クールに渡って放映される。東京近辺ではTBSで4月3日にスタート,そのほか各地域でも順次放送予定だ。海外からのローカライズタイトルで,こういった試みが行われるのは珍しく,エヌ・シー・ジャパンが本作に相当な力を入れていることが分かる。
アニメ版のストーリーは,師匠を殺された少女アルカが,その仇であるジン・ヴァレルへの復讐のために旅立つというもの。ただ,アルカは,冷酷無比な暗殺者として育てられており,ある意味ジン・ヴァレルと似た者同士でもあるという。
ゲームのキャッチコピーが「その復讐は終わるのか」となっているのに対し,アニメは「その刃は,何を求める」と違っており,最終的にアルカがどういった道を選ぶのか気になるところだ。
ちなみに,ジン・ヴァレルらのキャラクターはゲームにも登場するが,アルカはアニメのオリジナルキャラクターとなる。また,ジン・ヴァレルらのボイスは,ゲームとアニメで同じ配役で収録されているそうだ。
会場にはアルカ役を担当する声優のタカオユキさん(右),ジン・ヴァレル役の悠木 碧さん(中央),エル・カレン役の大原さやかさん(左)が登場。トークショーでイベントを盛り上げた
そのほか,テレビアニメ以外にも,小説やラジオ,タイアップなど,さまざまな展開が予定されている。
・「別冊少年マガジン」ノベライズ連載
4月9日発売号より連載開始。主人公はアルカではなくジン・ヴァレルだ。時系列はゲームやテレビアニメよりも前で,冷徹な彼女のバックボーンに迫る内容となっている。
・Webラジオ「~無口なアルカのおしゃべりラジオ~」
文化放送 超!A&G+にて放送予定。第1回は4月9日 毎週水曜26:00~26:30(※毎週更新)。メインパーソナリティーはアルカ役を担当するタカオユキさん。
・アニメフェア「AnimeJapan」出展
3月23日に行なわれるステージイベントでは,サプライズ発表も予定とのこと(※チケットは完売)。
・公式生放送「ブレイドアンドソウルLIVE 魅力大解剖」
第1回の放送は3月15日20:00。エヌ・シー・ジャパンの五條氏らが登場し,PCオンラインゲーム/TVアニメの最新情報や魅力をお届け予定(配信ページ)。
・ゲーム周辺サービス
公認ネットカフェての無料プレイや,特典付きのカイモカードの販売,ゲーマー向け推奨PCを24回払いで購入でき,さらに途中で返却することも可能な「NC割得サービス」などが展開される予定だ。
プレミアショウの主な発表情報は以上となる。長くなってしまったが,それだけにエヌ・シー・ジャパンの本作に掛ける意気込みも伝わったのではないだろうか。
本作の次の情報公開のタイミングは,3月15日に予定されている公式生放送になりそうなので,注目している人は忘れずにチェックしよう。
Blade&Soul RMT