2Kは2017年9月8日,「NBA 2K18 rmt」シリーズの最新作となるバスケットボールゲーム「NBA 2K18 rmt」(PC / PS4 / PS3 / Xbox One / Xbox 360 / Nintendo Switch)のメディア向けハンズオンイベントを東京都内の同社オフィスで開催した。9月19日の発売を控えた本作の最新情報とプレイレポートを,シニアプロデューサーであるエリック・ベニッシュ氏のインタビューと合わせてお伝えしたい。
バスケットボールゲーム史上最高のビジュアルを実現,多数の新要素を搭載
イベントはまず,ベニッシュ氏のプレゼンテーションでスタートした。
「NBA 2K18」は,1999年の第一弾からこれまで,累計7000万本以上のセールスを記録しているバスケットボールゲームシリーズの最新作で,今回の特徴は「史上最高のビジュアル」とのこと。
キャラクターの制作にあたっては,最新のレーザースキャニング技術を利用して選手本人を全身スキャン。例えばポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラード選手の「筋肉質でやせ形」や,ゴールデンステート・ウォリアーズのケビン・デュラント選手の「足が長く胴が短い」など,各選手の体型の特徴も忠実に再現したという。同時に顔や表情,汗の表現,ジャージの色や質感も改善し,さらに,古傷や消えかけたタトゥー,サポーターの縫い目まで表現している。スクリーンショットは,実写さながらのリアルさだ。 NBA 2K18 wiki
NBAに現在所属するチームをすべて収録したのはもちろん,かつて存在したクラシックチームも前作から17チーム増やした62チームが用意されている。
さらに,歴代の名プレイヤーが集結した「オールタイムチーム」も30チーム登場するとのこと。ベニッシュ氏は,「版権関連でかなり苦労したものの,やってよかった」と述べる。正式発売時には,時空を超えた夢の対決も楽しめるはずだ。
収録されたゲームモードで大きく変化したのが,「MyCAREER」だ。自分で作った「MyPLAYER」としてバスケットボール選手の人生を体験するという流れはそのままだが,新たに登場する「ネイバーフッド」という街を舞台に,ほかのプレイヤーとの交流やミニゲームが楽しめるソーシャル要素が強調されている。
ネイバーフッドは,MyCAREERと,オンラインプレイの「MyPARK」,そして,カスタマイズしたチームでプレイをする「PRO-AM」が統合されたモードで,バスケットボールカルチャーをリスペクトするこの街には,自宅やトレーニング施設,シューズやウェアを売る店,髪型が変えられる床屋,そしてDJプレイやクイズが楽しめるアミューズメントセンターになど,さまざまな施設が並んでいる。
プレイヤーはこのネイバーフッドでトレーニングに励んだり,選手としてNBAの試合に出場したりするのだが,街にはほかのプレイヤーも存在しており,一緒に遊んだり,自宅に招待したりできるという。
すでに本作の体験版となる「NBA 2K18 最安値: The Prelude」の配信がスタートしているので,気になる人は試してみよう。体験版のデータを製品版に引き継ぐことも可能だ。
また,マネージャーとしてチーム運営を行う「MyGM」モードは,「MyGM:The Next Chapter」という名称に変更されており,ストーリー要素が強化された。ゲームを進めることで,さまざまな選択肢が出現し,その選択によってストーリー展開が変化するという。ベニッシュ氏によれば,「現実のNBAにあるものをすべて取り入れている」とのことで,例えば,NBA団体交渉協約が再現されているほか,フリーエージェントの猶予期間が導入されるなど,最新のNBAをリアルに再現するものとなっている。
夢のチームを作れる「MyTEAM」にも手が加えられ,選手のサインやカードが登場する。ユーザーの希望に応じて,決まった契約金の制限内でチームを編成する「SuperMax」や,TCGのように「パック」を開いてチームを編成する「Pack and Playoff」が実装されている。
実際の試合では,選手のアニメーションがこれまで以上にスムーズになり,さらにシュート時にタイミングを示すゲージが表示されるなど,プレイアビリティが向上している。AIも改良されており,プレイヤーの戦術を学んで,これに対応するという。プレイを重ねることで,AIも強くなっていくのだ。
また,「オフェンスに優れた味方がボールを持っている場合,ほかの選手がスペースを作って自由に動けるようにする」「ディフェンスが弱い味方がボールを持ったとき,サポートが入る」など,それぞれの選手の能力を把握したうえで動くため,「チーム相互の相性によって試合展開が変化し,1つとして同じ試合はない」(ベニッシュ氏)というほど,多彩な展開を見せてくれる。
プレゼンの最後にベニッシュ氏は,「NBA 2Kファンは新しい体験を求めているので,本作はすべての点でアップグレードしました。ファンからのフィードバックを一番のモチベーションとして開発を進めてきましたので,ぜひゲームを楽しんでください」と語った。
試合中継を自分で操作しているかのような感覚,そしてネイバーフッドの不思議な距離感
会場には,PlayStation 4版とNintendo Switch版の試遊台が用意されていた。ゲームを立ち上げてまず驚かされたのが,ベニッシュ氏も述べたグラフィックスの向上だ。
選手がアップになったときの汗やタトゥーの表現がリアルで,「現実の試合の中継だ」と言われても信じてしまいそうなほど。本人をスキャンして作られたという各選手も,それぞれの個性が感じられた。
実際の試合では,複雑なプレイが直感的に楽しめるという印象を受けた。
時間が限られたハンズオンという関係上,チュートリアルを飛ばしていきなり試合を始めることになったのだが,少し遊ぶだけで操作に慣れ,相手チームとの駆け引きに集中できた。ディフェンスをかいくぐってダンクを決めたときは爽快だし,敵のボールを奪ったときなどは思わず心臓が高鳴ってしまった。NBA 2K18 相場
試遊に登場したのは,名プレイヤーが揃ったオールタイムチームで,筆者はシカゴ・ブルズを選んだのだが,まあとにかく強い。1990年代に活躍したマイケル・ジョーダン選手,デニス・ロッドマン選手,スコッティ・ピッペン選手のトリオに,1949年生まれのアーティス・ギルモア選手が加わるという文字どおりのドリームチームで,縦横無尽に暴れ回ることができたのだ。
「時代を超えたオールタイムチーム」はNBAに詳しい人向けのフィーチャーなのかと思っていたが,ビギナーにこそオススメしたい。