プレイレポート
ネクソンが2019年5月29日にオープンβテストを開始するMMORPG「メイプルストーリー2 RMT」。プレイレポートでお伝えしたとおり,本作はプレイヤーが自由に楽しめる遊び場として,さまざまなコンテンツが用意されている。
その中でもとくに凝った,ハマる人は大いにハマることになりそうなコンテンツがハウジングだ。本作のグラフィックスから,ブロックを配置して遊べるのではないかと期待している人もいるかもしれないが,ハウジングにはまさにそうした要素が詰め込まれている。しかも,ただ家が持てるだけには留まらない規模で,もしかしたら「もう冒険はいい! 家から出ない!」なんてことにもなりかねない。本稿では,そんな本作のハウジングだけに焦点を絞って紹介していこう。
開発中のバージョンでプレイしているので,サービス開始時の仕様と異なる可能性がある点はご了承いただきたい。
キャラメイクしてゲームをスタートすると,クラスごとに異なるチュートリアルが発生する。そこで基本操作や物語の導入部分を確認すれば,フィールド上へと移動し,自由に行動できるようになるが,この時点からハウジングが可能だ。右下のメニューから自宅への移動ができるようになっており,ここをクリックするだけで自宅にワープする。
この自宅は,アカウントごとに1つ持っているプライベートエリアに用意される。フィールド上で土地の権利を購入し,一定期間自宅を建てておくシステムも用意されているが,これはあくまで「フィールドに自分の家が建っている状態を人にも見せられる」権利だ。フィールドから家に入るのも,メニューから自宅へワープするのも,行きつく先は同じプライベートエリアとなる。つまりは,とくに土地の購入などをしなくても,最初から自宅を持っていると考えていい。
最初に自宅に入るときに,3種類のモデルハウスから1つを選択できる。ここで選択したものが,初期の自宅の内装だ。
さて,ここで選んだピンクハウスだが,システム的には面積4×4,高さ4のスペースにブロックや家具が配置されている状態である。奥の2面には壁があるので,居住スペースは3×3。ベッドや水槽,棚は置いてあるが,どうせならもっといろいろなものを配置したい。しかし,ここに家具を増やそうものなら,さすがにゴチャゴチャしすぎだろう。
というわけで,増築のために自宅の面積や高さを拡張してしまおう。拡張自体は非常に簡単で,左のメニューにあるボタンを押すだけ。一段階ずつしか広げられないので,ちょっと面倒だが,使いたいサイズまでガシガシ拡張してしまおう。
拡張が済んだら,今度は上のメニューから「建設モード」に入る。建設モードでは,プレイヤーキャラクターが工事のヘルメットや誘導ライトを装着した姿になり,移動ができなくなる代わりに,資材配置用のカーソルを動かせるようになる。そして,右下のメニューから各種資材(家具やブロックなど,配置できるものはすべて資材扱い)を選択し,カーソルの位置や高さを動かして,配置したい場所でクリックすれば,資材が自宅に出現する仕組みだ。
自宅を豪華にするのはいいが,「でもお高いんでしょう?」と,拡張や資材配置にかかるコストが気になるかもしれない。しかし,そのお値段はというと,なんと無料である。そもそも,チュートリアル終了後からいきなり自宅に来ているのだから,費用を請求されても払えるわけがない。
正確には,一部の資材は有料アイテムだが,ほとんどの資材はリアルマネーどころか,ゲーム内マネーすら必要ない。実際,上の画像で作った自宅も,ピンクハウスに使われているデフォルトの資材を除けば,すべて無料のもので構成されている。ゲーム内で素材を集めたり,お金を稼いだりしなくても,ハウジングを存分に楽しめるのだ。
7×7のスペースに広がった自宅だが,無料で資材を置き放題と言われたら,豪邸を夢見たくなるというもの。では,どのぐらいまで拡張できるのだろうか。面積と高さの拡張ボタンを,ポチポチと押し続けてみると……。
最大まで広げると,面積は25×25,高さは15まで拡張されてしまった。もはや移動に苦労するレベルであり,自宅と呼ぶような広さではない。豪邸どころか村でも作る気なのかという感じである。
この規模になると,本当になんでもアリ。高層ビルや城などの大規模な建造物はもちろん,迷路やジャンプで渡る足場を作って,ダンジョン化することもできる。有料資材を使えば,PvPの設定を行う機械や,踏むと発動するトラップなども設置できるので,闘技場のような施設を用意することも可能だ。
もちろん,自宅にはほかのプレイヤーも呼べる。訪れた自宅に「いいね」を残す機能や,支持されている自宅のランキングなどもあり,ハウジングが好きな人は,その作り込みだけで遊び続けられることだろう。自宅の配置内容は,保存と読み込みも可能なので,作り直しもいくらでもできる。
また,人を呼ぶにあたって,プライベートスペースごとの設定メニューも充実している。例えば,壁の高いダンジョンを作っても,壁をよじ登ったり,空を飛ぶアイテムを使ったりすると,地形を無視できてしまう。そこで,そうしたアクションやアイテムを禁止する設定もできる。
ほかにも,自宅内のカメラをサイドビューやトップビューに固定したり,ライティングの色を変えたり,背景画像を変えたりと,一味違う雰囲気の自宅にしたいときの設定もいろいろと用意されている。
ブロックを配置して自由なクラフトを行うだけなら,本作に限らず,それこそ「Minecraft」などのゲームでも楽しめる。では,本作ならではの面白さがどこにあるかというと,これだけ自由で大規模なハウジングを,MMORPGでできるということだと思う。
本作では,道行くプレイヤーキャラクターを右クリックすれば,簡単にその人の自宅にお邪魔できる(もちろん,勝手に入れなくする設定もある)。家の様子を見れば,その人の好みや性格が伝わってきたり,あるいはその作り込みに驚いたりすることもあるだろう。和気あいあいとお喋りを楽しむにももってこいで,コミュニケーションの場としても機能するはずだ。
そうなると,自宅に凝りたくなるし,人の家にも行きたくなる。人との関わりがモチベーションにつながっていくのが,本作のハウジングなのだ。
素材やお金を使わずに資材を設置していくプレイ感は,ブロックトイをパーツ使い放題で遊んでいるような感覚に近い。ただ資材を積み上げていくだけで,いつの間にか数時間は経っているはずだ。先に述べたとおり,チュートリアル終了後からすぐに没頭できるコンテンツなので,ぜひハウジングだけでも触ってみよう。