日本サービスが決まったネクソンのMMORPG「メイプルストーリー2 RMT」の事前登録が,2019年5月15日から実施中だ。「メイプルストーリー」の後継作として,どういった魅力を持つタイトルになっているのか。4月に韓国で行われた「Nexon Developers Conference 19」で,開発チームにインタビューする機会を得たので,その模様をお届けしよう。
Nexon Korea メイプルパート
ディレクター :ジャン・キョンハン氏
ユニットリーダー: チョ・ジェソン氏
ユニットリーダー:ソン・ヒョンジョン氏
4Gamer:
日本でのサービスが決まりましたが,まずはこれからプレイする皆さんに向けて,本作がどのようなゲームなのかを教えてください。
ジャン・キョンハン氏:
メイプルストーリー2は,メイプルストーリーを元にした作品で「2」と付けていますが,前作とは大きく異なるゲームです。グラフィックスが2Dから3Dになったことはもちろん,前作が狩りを主体としたゲームだったのに対して,田んぼを耕したり,ペットを育てたり,ハウジングを楽しんだりなど,さまざまな活動ができるのが大きな魅力になっています。
4Gamer:
本作のグラフィックスは,ブロック調のものになっています。メイプルストーリーを3Dで表現するのにこのデザインを採用したのには,どういった経緯があったのでしょうか。
ジャン氏:
メイプルストーリーのキャラクターの可愛らしさを,3Dで表現してみようというところから始まっています。
また,ゲーム内に遊び場を作って,いろんなことができる世界にしようというのも,初期段階から決まっていました。ブロック調の世界を採用することに決まったのは,この遊び場で,プレイヤーが何か作ったり配置したりするときに,より直観的にできるようにするためです。「Minecraft」から分かるように,遊びの可能性が広がりますから。
4Gamer:
韓国では2015年からサービスが続いていますが,本作が「2」として出てきたことで,どういった反響がありましたか。
ジャン氏:
最初はやはり,前作のプレイヤーが多く遊びにきてくれたのですが,2に満足してくれた人もいれば,前作のほうが好きだという人もいました。
4Gamer:
1と2で,プレイヤーの年齢層は違ったりするんですか?
ジャン氏:
多少はあります。前作はサービスから15年以上が経っていますが,2はまだ5年ですから。
チョ・ジェソン氏:
前作のサービス開始当時のプレイヤーは,ほとんどが小学生でしたが,今は20代です。一方で,2のサービス開始時に小学生だった人は今は高校生なので,2のほうが若いかもしれません。もちろん,20代で2にノスタルジーを感じて遊んでいるという人もいます。
4Gamer:
本作は遊び場のようなゲームということですが,その中でもイチオシのコンテンツを教えてください。
チョ氏:
まずはダンジョンですね。前作で有名だったダンジョンやモンスターを,2にふさわしい形に再解釈して実装しています。本作ならではの可愛らしい雰囲気で,新鮮なプレイを楽しんでもらいたいです。
ソン・ヒョンジョン氏:
生活型コンテンツもさまざまなものを用意していますが,本作ならではのものと言えるのが,UGC(User Generated Contents)です。衣装や建築資材の見た目を自分で描いて,オリジナルのものをデザインできます。
4Gamer:
衣装デザインなどは,ほかのゲームではマネタイズにつなげることが多い部分だと思いますが,本作ではどういった経緯で導入に踏み切ったのでしょうか。
ソン氏:
プレイヤーの自己表現ができるものを用意したかったんです。開発室でデザインすれば,クオリティが高いものは用意できますが,それではプレイヤー1人1人の個性が表しにくいですから。
4Gamer:
生活型コンテンツで驚いたのがハウジングです。日本サービスのテストバージョンを見せてもらったのですが,非常に自由度が高く,凝った仕組みになっていますよね。本作のハウジングは,プライベートエリア的なもので誰でも自分の家を持てる仕組みなんでしょうか。
ソン氏:
はい,アカウント1つにつき1つを持てるようになっています。ほかのユーザーを招待することもできて,好評を得ています。
4Gamer:
家を作るためのブロックパーツや家具は,たくさんの種類が用意されていましたが,入手はどのようにしていくのでしょうか。
ソン氏:
ほとんど制限がありません。韓国でのサービス初期は,建設資材にある程度の価格が設定されていたのですが,制限なしに楽しんでもらおうという方針に変わっていきました。まったく費用が掛からないわけではないですが,ものすごく低い価格に設定しています。加えて,時々イベントを行って,低い価格をさらに割引するようなこともやっています。
ハウジングは本作のユニークな要素なので,開発室としても自由に楽しんでもらいたいんですよ。
チョ氏:
ダンジョンとハウジングの連携も用意していて,例えば家にバフが得られる家具を置くと,ダンジョン攻略が楽になるですとか,あるいはダンジョンでボスを倒したらその石像を家に飾れるといった要素があります。
ただ,ハウジングは好きだけどダンジョンは好きじゃない,あるいは逆にハウジングには興味がないという人もいると思うんです。本作は遊び場ですから,好きなコンテンツだけを遊べるよう,「どちらもやらないとダメ」といった形にはしていません。
4Gamer:
冒険せずに家ばかりいじっている人もいるのでは?
チョ氏:
います。地下鉄の駅や商店街を作ったり,警察署を再現して,さらにUGCを使って警官のコスプレをしたりなど,凝った家は面白いです。そうした家には,たくさんのプレイヤーが来訪していますね。
4Gamer:
最後に,日本でサービス開始を待っている皆さんにメッセージをお願いします。
ジャン氏:
グラフィックスは本当に可愛らしいので,一度見てみてください。また,一般的なMMORPGの戦闘要素もちゃんと入っていますから,そちらも楽しんでいただけると思います。とくにボス戦は,いろいろなギミックがあって,頭を使うプレイも楽しめます。ぜひご期待ください。
4Gamer:
ありがとうございました。